九転十起女和花の気まぐれお仕事日記

前ブログ「九転び十起き」から引き続き、独身アラフィフ非正規社員の仕事にまつわるお話を中心に綴っていきます

職場がどんどんシビアになっている

ガールズちゃんねるで、タイトルのようなトピが挙がっていました。

内容は、以前は新入社員として入社したばかりの頃、多少のミスなどをしても「新人さんだから仕方がないよねー」と寛大な目で見てもらえる事が多かったのに、最近は、「あの子は使えない」とシビアに評価されることが多くなった、と言う感じ。

確かにこれ、分かります。新入社員はもちろん、転職して間もない頃って、右も左も分からない状況じゃないですか。最初は分からなくて、出来なくて当たり前。徐々に覚えていってもらう、というのが、本来の姿なのです。

それが、多分人手不足などで、社員に仕事を教える余裕がなく、いきなり仕事を覚えてやって貰うというスタイルに移行してしまいました。すると、当然分からないままで仕事が進んでいく訳で、聞くにも聞けない状況に陥り、当然ミスも起こす。するとそれだけで「使えない」と言うレッテルを貼られる。

多分、ほとんどの人が、じっくり教えてもらえば、それなりに仕事が出来る筈なのに、その工程を端折るから、使えない人材が増えてしまう。とても勿体ないですよね。

昭和後期から平成初期の頃は、割と新入社員に対する教育はしっかりしていて、教える方も厳しかったりするけど、それはちゃんと成長して欲しいから敢えてそうしている感があった気がします。そして、ミスをしても多少大目に見てもらえたし、ミスをした方もそれに甘えることなく、次はちゃんとやるぞとミスを踏み台にして、ある程度時間をかけて、自分のものにしていた気がします。

私も10代の頃はめちゃくちゃ揉まれて、叱咤されながらも、何とか踏ん張ってきました。お陰で、何とかそれなりに仕事をこなせるようになりました。根気強く使い続けてくれた、当時の上司や同僚には本当に感謝しています。

このように、習得するまで、ある程度時間をかけないと駄目な人って、意外と多い気がします。。勿論、すぐに習得できる優秀な人もいますが、そういった人は実は少ないと思います。

なのに、今の世の中は、その「すぐに習得できる」ようにしようとしています。しかも、昔ほど手間を掛けずに、そうしようとしています。

すると、かつての私のように、習得するまでに時間が掛かるタイプの人たちは、すぐに習得できないと言うだけで、「仕事が出来ない」と言うレッテルを、不本意に貼られてしまうのです。これって勿体ないと思いませんか??

少しだけでも、教える方に時間を費やしてくれるだけで、教えてもらう方は本当に助かるし、有難いのです。その、ほんの少しの手間ですら惜しむ企業が、本当に増えてきたな、と、転職を重ねてきて、改めて実感しています。

今「人手不足」だと嘆いている企業の中に、この「仕事をきちんと教える」事の出来ない所が増えているのではないでしょうか。入社1〜2日で一通りの作業を説明しただけで、教えた気になって、いざそれが出来なかったり分からなかったりすると、「使えない」と判断する。せめて、分からないことを質問してちゃんと答えてくれるとまだいいのですが、それすらも拒否したりする。

職人のように、「見て覚えろ」なんて、ほぼ100%無理です。そんなエスパーのような才能の持ち主なんて、ほんの一握りだけです。

だから、世の中には「使えない」人材が溢れていくのです。本当は適材適所で、使える場所がある筈なのに、すぐに使えないというだけで、ポンコツ扱いを受ける。更に受けた方も、それですっかり自信を失い、途方に暮れる。これって勿体ないと思いませんか??

何でここまで、企業や職場に余裕がなくなってしまったのか。それは、人材を最低限にまで抑えているから。つまり、教える人材がいても、仕事がギリギリで回っているため、時間を割けないから、なのです。今の企業は、一部を除いて、過剰人員は置かなくなりましたよね。常にギリギリで回している。そして余裕がなくなっている。そんな中、人が入ってきても、ろくに仕事を教えて貰うことが出来ない。そのくせ、求めるものは大きいので、双方の溝は深まり、結局長続きしない。

私自身もこれまで、何度もそのような経験をしてきました。それでも、右も左も分からない新人ではないので、何とかコツを掴み、それなりに出来るようになった事もありますし、どうしようもなかった事もあります。特に、機械の操作の時は本当に駄目で、それは今でもトラウマになっています。当時の教育係に毎日のように罵倒されてましたもの。でも、出来ないものは出来ないんですよ。そればかりは仕方がない。

でも、トラウマだからと逃げてばかりはいられないのも、大人の社会人です。今の世の中は、簡単に自分の嫌なもの、向いていないものに簡単に回避する傾向がありますが、働く上で、どうしても苦手なものって存在します。そこと、いかに折り合っていくかなんですよね。

私の場合、機械と同じように苦手なのが電話応対です。今も苦手で、なるべくなら避けたい。でも、今の仕事で、電話応対も業務の1つなのです。特に、社員さんが製品の倉庫搬入の時は、ほぼ電話応対をしなくてはなりません。だからと言って、「私苦手だから無理です」とは言えない。苦手なりにも、対応しなくてはならない。幸い、そんなに多く掛かっては来ませんが、それでも未だに緊張するし、滑舌悪いので、うまく社名を言えないし、その度に自己嫌悪に陥ります。ただ、慣れてくると、電話が掛かってきても逃げなくなりました。

実は、入社3ヶ月頃までは、どうしても出なくでは行けない時以外は、電話が掛かってきても、避けていました。社員さんたちが取ってくれるだろう、というのもあるし、体が反応出来なかったのもあります。情けない話なんですけどね。あと、例えばうまく名前を聞き取れなくても、社員さんが責めたりしなかったもの大きかったです。今は、取れる体制にある時は、積極的に取れるようになりました。名前を聞き取れない時も、聞き返せるようにもなりましたし(男性の声が聞きづらい気がする)、相手先(取引先)の方も、こっちが萎縮するような対応をされた事は今の所ありません。

なので、テレアポを仕事にされている方って本当に凄いと思います。理不尽なクレームや、仕事に関係のない事を延々と語られても、毅然とした対応をしなくてはならないですよね??私には絶対無理です。

今、新入社員の方が電話応対に苦手意識のあると言われていますが、確かに家に固定電話がない環境で過ごしている人が多くなっていますし、どこから掛かってきたか分からないから、恐怖心を持ってしまうのは本当によく分かります。でも、きちんと教育さえ受ければ、それなりに出来るようになると思うのです。

まずは、先輩の電話応対を見て、基本的なやり取りを覚える。そして、取り次ぎ先や名前などを覚える。とにかくメモを取る。分からない時は失礼のないように聞き返す。クレームなどは、先輩に変わる、など、段々少しずつ分かってくると思うのです。そうなるためには、少し時間が掛かってもいいので、電話に対する苦手意識を払拭させるように教育した方がいいと思うのですが。それをすっ飛ばして、いきなり電話応対してね、と行った所で、たまたま相手が悪かったりしたら、それだけでトラウマになる事間違いなし、です。何事も最初が肝心。

話は変わりますが、職人さんはかつて、時間をかけて1人前に育てるというのが当たり前でした。そうでないと、一通りの技術が身につかないからです。それを経て、やっと1人前になれるのです。

しかし育てる方は、最近その手間さえも惜しむようになり、更に教わる方もそこまで時間を掛けたくないからと、じっくり教わる機会が少なくなったそうです。

これでは、真の職人はますます減るばかりです。日本の貴重な工芸品や、あと大工などの後継者が非常に減っているようですが、教える手間を掛けずに育った職人もどきばかりになって、本来工芸品や建物の持つ美しさや緻密さが感じられず、薄っぺらい作品ばかりになってしまうかもしれません。

家も、最近は簡単に建てられるみたいですね。ただ、それ故マメなメンテナンスが必要みたいで、使い捨てとまではいきませんが、建てっぱなしでも維持できる昔の家とは違い(古くなるけど基礎はしっかりしているし、素材も良いものを使っている)、何かと手を掛けないといけなくて、維持するのが大変みたいですね。家電もそうですが、長く使うよりも、使い捨てのようになっていますよね。要らなくなったらポイ。

会社もそうですよね。育成に力を入れず、要らなくなったらポイ。なので、正社員は増えず、非正規ばかりになってしまう。正社員も「定額使い放題」になっている。ある程度の給料は保証するけど(保証されない場合の名ばかりの場合もあり)、その代わり多少の無理は承知でいてねと馬車馬のように働かせる。更に仕事以外の要求も増えている。無駄な研修とかミーティング、昔に比べて増えていませんか?WEB会議ってそんなに必要??

働く人々の待遇が、年々悪くなっていて、そのくせ定年が延長されている。今も70歳までに引き延ばされそうになっている(なっている所もある)。それでも、未だに正社員で働けるのは60歳、と言う所がまだ多いです。契約延長されるのはまだいい方で(但しパートか嘱託)、中には契約しない所も少なくない。そして、そのような人たちが働ける場所が非常に少ない。あっても超安給料か超激務かどちらか(中にはどちらも)。

年金は当てにならないし、更に貯金もなかなか貯まらない。退職金があればまだ御の字で、最近はない企業も増えているようです。昔みたいに、年金や退職金で悠々自適と言うわけではいかなくなりました。

果たして10年後、この世はどうなっているのかしら?そして私自身はどんな形で働いているのかしら。今でも体中の痛みと闘いながら働いているのに、ね。悠々自適とは程遠そうです。介護とかしているのかな??